提供:ティー・ロウ・プライス・ジャパン

ファンド・マネジャーの心得とは、ファンドの親として 子どもたちがしっかりと育つよう 心血を注ぐのです

2024年から新NISAの導入が始まり、投資信託の購入を検討する人が増えている。ただ、これまで貯金がメインだった人からすれば、株式投資はリスクが大きいというイメージがあり、どう投資すればよいのか悩んでいる人も少なくないだろう。どうすれば、もっと安心して投資を楽しみ、リターンを得ることができるのか。約204兆円の運用資産残高を誇るティー・ロウ・プライスで約3.9兆円を運用するファンド・マネジャー(顧客から集めた資金を運用する責任者)のデイビッド・J・アイズワートさんに、「資産運用の初心者」を自認するフリーアナウンサー新井恵理那さんが話を聞いた(本文内敬称略。表記した純資産残高は2023年12月末時点で1米ドル=140.98円で円換算)。

初心者が投資や資産運用で成功するためには?

新井新NISAの導入が始まり、投資信託がますます注目されています。本日は「資産運用の現場監督」ともいえる運用責任者のアイズワートさんにお話を伺い、投資信託の素晴らしさの本質に迫ってみたいと思います。まずは株式市場の動きについて伺いたいのですが、日経平均が4万円を超える水準まで上昇してきました。この動きをどう見ていますか。

アイズワート私が初めて来日してから、もう15年がたちます。その間に多くの日本企業を訪問し、日本文化に対して非常に大きな敬意を抱くようになりました。日本には、仕事を正確にきちんとやり遂げることを重んじる文化があり、AIや半導体も含めた多くの成長分野において、重要なテクノロジーを持つ企業が数多く存在しています。新たなトレンドがグローバルに生まれつつある中、その重要な一翼を担える企業が日本にはあるのです。だからこそ、日本企業の株式が上昇しているのだと分析しています。ところで、新井さんはどのように資産運用をしているのですか。

ティー・ロウ・プライスグローバル・フォーカス・グロース株式運用戦略 運用責任者 デイビッド・J・アイズワート氏ティー・ロウ・プライスグローバル・フォーカス・グロース株式運用戦略 運用責任者 デイビッド・J・アイズワート氏

新井実は、資産運用を始めたばかりの初心者です。あまりリスクは取りたくないので、インデックスファンド(日経平均など市場の指数に連動した投資信託)を購入して分散投資をしています。米国やグローバルサウス(インド、ブラジル、インドネシア、サウジアラビアなど、経済的に発展途上にある新興国や発展途上国)の株式にも投資していますが、今後の成長に期待したい半面、損をする可能性もあるので、いつも不安はありますね。

フリーアナウンサー 新井 恵理那氏フリーアナウンサー 新井 恵理那氏

アイズワート投資を始めたことは賢明な決断だと思います。長期にわたる株式投資は、 資産を形成する上で大変有効な方法の一つといわれているからです。ただし、資産運用には難しい面があるのも事実です。人間は進化の過程で、「猛獣に襲われそうになったら、危険を察知して逃げる」「自分が所属するコミュニティから追い出されないよう、周囲と歩調を合わせる」といった行動特性を身に付けました。つまり、人間は生き残るためにリスクを避けることを学び、本来は「投資に向いてない」存在として進化してきたわけです。
そのため、人間が投資や資産運用で成功するためには、かなりのトレーニングや経験が必要です。著名なジャーナリストであるマルコム・グラッドウェルは、その著書の中で、「音楽であれスポーツであれ、習熟するためには少なくとも1万時間を費やさなければならない」と書いています。その考え方によれば、積極的な株式運用で成果を上げるためには、1万時間をかけて経験や訓練を積む必要があります。
資産運用の世界には、「感情は冷静な思考を妨げ、損失をもたらす」という言葉があります。人間誰しも損はしたくありませんから、株価の変動に一喜一憂しがちです。しかし、感情的になればなるほど、冷静な投資判断ができなくなってしまいます。だからこそ、感情に流されることなく、論理的な意思決定ができるようにするためのフレームワーク(枠組み)が必要なのです。

インデックス運用にはないアクティブ運用の魅力とは

新井アイズワートさんは、アクティブファンド(市場に関連した指数以上のリターンを目指し、株式銘柄を入れ替える積極的な投資)の運用責任者を務めています。アクティブファンドのメリットとは何でしょうか。

アイズワート1つ目は、「インデックス運用にはないアイデアを生み出せること」。2つ目は、「リスク管理を重視して資産を守ること」、逆にいえば「リスクを取るための高度な能力を発揮して運用すること」です。
そこには、「豊富な知識や経験を生かし、ほかの誰もマネできないようなリスクを取ることによって、高い収益を上げる」、あるいは「リスクをしっかりと認識した上で資産を守る」「ほかの人たちが株高で多幸感に浸っているときに、冷静に市場の動きを見る」といったことも含まれます。しっかりとファンドを運用するためには、人間が抱く感情を理解した上で、規律を適用していくことが重要です。
最近の例でお話ししましょう。新型コロナウイルスがまん延し始めた2020年初期のことです。みんなパニックでした。私も21世紀の世界で、こんなことが起きるのかと恐怖を抱きました。しかし、私はフレームワークに立ち返り、冷静に自問自答しました。「これは構造的な問題か? 一過性の天災か?」「天災だとして、何がきっかけで世の中が変わる?」 私たちは医学界で先端を行くジョンズホプキンス大学へも出向いて調査しました。結論は、ワクチンはいずれ開発され、経済は徐々に正常化へと向かう、したがって目先のリスクには注意しながらも、その後の世界を想定して運用していくべきだと考えました。そしてパンデミックのさなかでしたが、私はアナリストに一斉メールを配信しました。「市場の下落リスクについては私が考える。君たちアナリストは銘柄選択に集中し、今後数年を見越して最も魅力的と考える銘柄を挙げてほしい。株価が下がったからという安易な理由はいらない」と。アクティブ運用を行うためには、適切なタイミングで的確に判断しながら、難しい意思決定をするための高度な判断力が求められます。その能力こそが、長期の株式投資に生きてくるのです。

デイビッド・J・アイズワート氏

新井ファンド・マネジャーも生身の人間ですから、時には失敗することもあるけれど、プロである以上は自分を律する強い意志が求められる。そのためには、立ち返るべき原則や規律を持つことが大事だということですね。

アイズワート一見難しいことを、楽々とこなしていくことが、真のプロだと思います。新井さんはキャスターとして活躍していますが、この仕事で成果を出すために、どのようなスキルを磨いてこられたのでしょうか。

新井キャスターとして一番大事なことは、つくり手の意図をくみつつ、視聴者に役立つ情報を提供できるよう、バランスを見ながら会話することだと思います。

フリーアナウンサー 新井 恵理那氏

アイズワートなるほど。それはある意味、ファンドの運用に似ているかもしれません。 私たちは運用にあたり、「お客様の利益を第一に考える」ことをうたっています。実は、私が運用するファンドに、私の母も投資しているのですが、母からは常々「あまり大きなリスクは取らないで。でも、リターンを上げるための必要なリスクは取ってね」と言われています。この母の言葉は、まさにお客様を代弁するメッセージとして、私が資産運用をする際の指針となっています。

「お客様の利益」を第一に考え、長期的な成果を重視する

新井やはり「相手の立場に寄り添う」ことが大切だということですね。ところで、アイズワートさんが所属するティー・ロウ・プライスとはどんな会社なのですか。

アイズワートティー・ロウ・プライスは1937年に設立された85年以上の歴史を持つ運用会社です。創業者であるトーマス・ロウ・プライスJr.は「成長株投資の祖」として知られる伝説のファンド・マネジャーです。
その当時、株式投資といえば、市場環境や投資家動向から株価の上げ下げを予想して売買するのが普通でした。そんな中、プライスJr.は「お客様の豊かさのために最善を尽くすこと」をミッションに据え、予想すべきは「株価」ではなく、会社の「将来の業績」と定め、投資先企業についてしっかり調査を行い、長期的な視点から投資することを目指したのです。 面白い逸話があります。プライスJr.は会社設立前に証券会社に勤めていました。営業成績はひどいものだったそうです。というのも、調査に時間をかけ、株を購入させたらお客様にずっと保有することを推奨したからです。これでは、株の売買から得られる手数料がもらえません。しかし、数年後にはお客様から信頼を得て、預かり資産やお客様が増えていったそうです。
現在でも、私たちは短期的な成果よりも長期的な成果を重視していますし、市場変動に対する耐性を高め、お客様の利益を考えることを第一に据えています。

ITバブル崩壊から顧客を救った勇気ある決断

新井今もティー・ロウ・プライスには、創業理念が脈々と受け継がれているということなのでしょうか。

デイビッド・J・アイズワート氏

アイズワートはい、そうです。相場というものは、時として非常に理不尽で、非合理的な動きを見せることがあります。2000年にITバブルが崩壊したときのお話をしましょう。当時ティー・ロウ・プライスは、ITバブルで株価が高騰したため、お客様にとってのリスクが高すぎると考え、IT 銘柄への投資を避けるという判断を下しました。このため、 著名な経済紙は私たちが「リターン機会を逸している」といって、私たちを揶揄(やゆ)しました。しかし、まさにこの決断によって、私たちはITバブル崩壊の大津波から、お客様を守ることができたのです。ちなみに、この時期にティー・ロウ・プライスと同様に一部からバッシングを受けていたのが、「自分が分からないものには投資しない」と言ってIT銘柄への投資を避けていた投資家のウォーレン・バフェット氏です。
必要ならば、私たちが批判の矢面に立ってでもお客様を守る、それが私たちの仕事です。そうすれば、短期的には期待したほどの運用成績が上がらなかったとしても、長期的には成果が出て、お客様の資産保全と長期的な目標達成につなげることができる。こうした考え方が、ティー・ロウ・プライスに根付いています。

新井「目先の利益を追求するのではなく、お客様の資産を守ることが第一」という考え方は、とても安心感が持てますね。そんなアイズワートさんにとって、ファンド・マネジャーのお仕事とは何でしょうか。

フリーアナウンサー 新井 恵理那氏

アイズワートグローバルなファンド・マネジャーは、たくさんの子どもを持つ親のようなものかもしれません。実際、私には4人の子どもがいます。子どもが成長する過程ではいろいろなことが起きますが、親が目先の些末(さまつ)なことに気を取られて右往左往していたら、子どもたちはどうなるでしょう。本当に大事なことだけに集中して、子どもたちがしっかりと育つよう心血を注がなければならないのです。
ファンド・マネジャーも同様です。自分が選定した企業が健やかに成長してほしいと心から願いつつ、長期的な観点から見て重要でないことには一喜一憂しない。もちろん、 短期的なファンドの価格変動に対応する必要はありますが、それは子育てで紆余曲折(うよきょくせつ)を経験しながら対応していくのと同じことです。そのためにはストレスへの対応能力も必要ですし、重要なことだけに集中する能力も求められます。


グローバル市場に投資し、様々な成長機会をとらえる

新井アイズワートさんは現在「ティー・ロウ・プライス 世界厳選成長株式ファンド」の運用責任者を務めています。これはどんなファンドなのですか。

アイズワート当ファンドは、世界の幅広い企業の成長機会をとらえるという運用戦略に基づいてつくられたファンドです。その元となる運用戦略は1996年1月末に運用を開始し、25年以上の長きにわたって良好な運用パフォーマンスを達成し続けてきました。
投資先範囲をグローバルに幅広く持つことで、様々な成長機会への投資が可能になるというメリットがあります。経済サイクルやテクノロジー普及の度合い、ビジネスモデルは国・地域ごとに異なるため、グローバル市場に投資することによって、様々な成長機会をとらえることができるのです。
私たちは「成長株投資」を、「あらゆるセクター、あらゆる地域において、収益の改善を見いだせるものに投資すること」と定義しています。当ファンドと同じ運用を採用する米国籍ファンドは、長期実績や変化に柔軟な安定した運用が高い評価を受け、DC(確定拠出年金)など長期性年金資金の投資先ファンドとして数多く利用されています。私自身も、社内のファンド購入プログラムを通じて長期で投資しています。そうすることで、投資家側の立場に立った運用を心がけられるからです。

新井年金資金運用でも利用されているというのは、投資の初心者にとっては安心材料ですね。今までアクティブファンドは選択が難しいと感じていたのですが、アイズワートさんのように「お客様第一」をモットーとするプロのお力を借りれば、安心して楽しく投資ができそうですし、わくわくしながら資産成長を楽しめそうです。本日はありがとうございました。

デイビッド・J・アイズワート氏/新井 恵理那氏
ティー・ロウ・プライス 世界厳選成長株式ファンド
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